ぶたぞーブログ

みなさんに豚肉をおいしく、賢く食べていただきたいと思ってます。豚道の道のりはとてつもなく長そうですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。

生焼け豚肉は食べても大丈夫?

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生焼けの豚肉って食べたらダメってイメージないでしょうか?牛肉は赤くても大丈夫だけど、豚肉はダメよってお母さんから言われた人も多いのではと思います。

 

 

今回は、豚肉を生(赤い状態)で食べることのリスクとその対処方法、最後に食肉業界に10年いる私はどうしているかについて書きたいと思います。

 

目次

 

豚肉を生(赤い)状態で食べるリスク 

以下が代表的なリスクになります。

1、 食中毒(腸管出血性大腸菌【O157などが代表的】、カンピロバクター)

2、E型肝炎ウィルスへ感染

3、トキソプラズマ症に感染

 

 

それぞれのリスクについて、発生源と症状について書いていきます。

 

 食中毒(腸管出血大腸菌、カンピロバクター)

腸管出血性大腸菌は主に牛の腸にいる細菌です。

 

カンピロバクターは牛や鶏の腸にいる細菌です。屠畜後の処理で腸と肉は、最初の方の工程で分離して処理して 加工していきます。

 

このように注意をしていても、完全にこれらの細菌が肉に付着することは防げないのが実態です。

 

また、豚にはこれらの細菌が腸にいないため、リスクは低そうですが、最終お肉屋さんやスーパーの加工室では、牛、豚、鶏を同じ部屋でカットする場合ほとんどです。

 

そのため、どうしても交差汚染されてしまう可能性があります。

 

それぞれの食中毒症状

  

腸管出血性大腸菌に感染し発症すると、発熱・激しい腹痛・水溶性の下痢・血便・吐き気・嘔吐などの症状がでます。


特に抵抗力の弱い子供や妊婦、高齢者は重い症状になりやすいため注意が必要です。
 

 

カンピロバクターに感染し発症すると、発熱・腹痛・下痢・吐き気などの症状が出ます。

 

E型肝炎ウィルスへの感染

 

E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A|厚生労働省に詳しくは記載されていますが、まとめます。

 

特に豚の生レバーからの感染リスクが高いとされているようですが、生の豚肉にもリスクはあるようです。

 

感染すると、38℃以上の高熱を伴って発症。発熱後数日を経て、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、右季肋部痛などが現れ、その後褐色尿、黄疸が現れるそうです。

 

また、妊婦さんが感染すると症状が重くなる可能性が高いそうです。

 

食肉由来の感染例は年に数件から十数件発生しています。

 

トキソプラズマ症への感染

詳しくは、横浜市衛生研究所:トキソプラズマ症についてをご参照ください。

 

豚肉は寄生虫に気をつける必要があると認識されている人がいるかと思いますが、トキソプラズマ原虫がいわゆる豚の寄生虫です。

 

こちらも、まとめますと、トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫が人に感染することによって起きます。ごくわずかの人しか症状は見られないようです。免疫に異常がなければ、何の症状もでません。

 

そのため、特段の対策がとられていないことが多く、生肉や加熱が不十分な肉を多く食べる国では感染している人が多いです。

 

米国6000万人、フランス4000万人ほどが感染しております。症状がでても風邪のような症状で、多くの人はそれ程恐れる必要はなさそうです。

 

ただ、妊婦さんは注意が必要です。妊娠中にトキソプラズマに感染すると赤ちゃんに視力障害や精神発達障害などの悪影響がでたり最悪の場合は死亡のリスクもあります。

 

日本では年間数名の赤ちゃんでトキソプラズマ症が発症してしまっているようです。

 

ただ、豚肉を生の状態で食べてしまったとしても、まず、落ち着いてください。 食中毒、E型肝炎やトキソプラズマ症にしても生の状態で食べたら必ず発症するわけではありません。

 

むしろ、ほとんどの場合は何も起きません。私は職業柄?豚肉を何十回も生焼けに近い状態で食べてきましたが、特に豚肉が原因で体調を崩したことはありません。でもよい子はマネしないでください。

 

もし体調が悪くなったら病院にいっていただけたらと思います。

 

対処方法

対処方法はシンプルです。

 

1、肉の中心温度75℃で1分以上の加熱すること(厚生労働省の推奨基準)

2、生肉に接した包丁、まな板、トング、箸は専用のものを使い、食べる際は別の箸を使って食べる

3、生肉を触った後はしっかり手を洗う

 

 

ただ、肉の中心温度75℃1分以上って温度測れないし、判らないよって思いますよね。

 

現実的には、箸や楊枝で肉を刺し、肉汁が透明になったことを確認したり、肉を切ってみて中が赤くないことを確認することになります。

 

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豚肉の火の通し方についての私見

 さて、ここからは賛否両論あると思いますが、豚肉の火の通し方について私の意見です。

 

今まで書いてきたように、教科書的には赤い肉を食べるのは危険でダメですとなります。

 

ただお気付きの方も多いとは思いますが、一番美味しい状態で肉を食べるためには加熱しすぎてはいけません。

 

それこそ、外側はカリッとしっかり焼き、中はほんのり薄ピンクぐらいが一番おいしいと思います。

 

そして、私は仕事上温度を計測したこともあるのですが、75℃1分は非常に微妙な数字でギリギリこの値で加熱できればほんのり薄ピンクぐらいになります。そのため、ほんのり赤い肉であってもこの数字を満たせてないこともあるかと思っております。

 

ですので、妊婦の方や高齢者、小さなお子さんは、赤い豚肉を食べてはいけません。感染した時のリスクがとても大きいためです。

 

ただ、健康で上記にあたらない方々は、そこまで神経質になる必要はないのかなと思います。

 

上記したリスクの中で健康な人でも特に注意すべきなのは食中毒です。ただ、理論的には細菌は肉の内部には入り込めません。

 

肉の表面につくことはあっても内部に侵入できないのです。そのため外側をしっかり加熱することで、食中毒菌は死滅させることができるのです。

 

そう考えると、たたきという食べ方は非常に理にかなった食べ方なのです。

 

それでも、肉に傷が入っており肉の内部に菌が侵入していたなど、絶対安全とは言えません。ただ、非常に可能性としては低いのがわかるかと思います。

 

結局、食べる人の健康状態や一緒に食べる人がどんな人かによって豚肉の食べ方一つとっても変わってくるのかなと思ってます。

 

私は、今までは妻と2人暮らしでありがたいことに2人とも健康でしたので、豚肉が多少赤くても気にしてなかったです。

 

でも、今は妻が妊娠中です。家での生肉の取り扱いに慎重になりますし、豚肉は赤い状態では食べません。今は味よりも安全が大事な環境になりました。